目次
特に気の繋がりを意識した稽古内容が印象的で、試合戦術・決定力・引き技など多彩なテーマに触れています。
本記事では、その指導内容を初心者から上級者まで役立つ形で再構成しました。ぜひ日々の稽古の参考にしてください!


1. 金沢龍谷高校の現状と課題
今回、山本先生が指導する金沢龍谷高校では、団体戦で代表決定戦まで進めるようになったものの、あと1本を取る力が課題となっていました。
いわゆる「負けない剣道」はできているものの、「勝ち切るための決定力」が不足しているという悩みです。
そこで梶谷は、実践的な稽古や技のつなぎを強化するポイントをアドバイスしました。
1-1. “気の繋がり”とは
剣道でよく言われる「気・剣・体の一致」の“気”を絶やさないことが、試合で勝ち切るためには重要だとされています。
たとえば、鍔迫り合い後や引き技を打った後でも、次の一手に意識を繋げることで、相手に隙を与えにくくなるのがポイントです。
「一発一発の技だけで終わらず、常に次を狙う意識を持つ。これが“気の繋がり”です。」 – 梶谷彪雅
2. 面と小手の実践的な稽古法
金沢龍谷高校の稽古では、面打ちを中心にした攻め方と、相手の避け方に合わせた多彩な小手や変化技を組み合わせる指導が行われました。
2-1. 面打ちのポイント
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- 予測と作り: 相手がどのように避けるかをイメージし、攻め方を変化させる。
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- フェイント: 下を攻めたり、竹刀を回したりしながら相手の裏を狙う。
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- 横の動き: 縦だけでなく、表・裏への回しを使うことで、守りを崩しやすくする。
「正面から面を打つだけ」で終わらせず、相手の避け方を見極めながら別の角度や連続技を狙うことで、決定力を高めます。
2-2. 小手打ちのコツ
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- 起こりを見せない: 大きく振りかぶらないようにし、動作をコンパクトに。
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- 間合いを詰めるタイミング: 遠間から跳びすぎるとバレるので、一瞬で入る。
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- 打ち切る意識: 当たらなくても気を途切れさせない。後打ちを狙われないように注意。
「1本を狙う」意識で小手を打ち切ることが大事です。
起こりを小さくし、タイミングと間合いを工夫することで、効率よくポイントを奪えるようになります。
3. 引き技の強化と“下がり”のスピード
梶谷先生が強調したのは、引き技とその後の下がりのスピード。
特に高校生は打った後に下がる動作が遅いケースが多く、そこを改善するだけでも試合展開が大きく変わります。
3-1. 引き面・引き胴の実践法
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- 打った後すぐ下がる: 体を前傾させすぎず、後ろに倒れ込むイメージを持つ。
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- 鍔迫り合いからの展開: 巻き込み(相手の拳や竹刀をうまくずらす)を使い、素早く面や胴を狙う。
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- 連続稽古: 3人1組で5本連続引き面などを行い、瞬発力と下がりのスピードを養う。
「打ったら終わり」ではなく、次に繋がる動き(いわゆる気の繋がり)と下がりの速さが、1本を決めきる剣道には欠かせません。
4. “ずるい技”で攻めのバリエーションを広げる
「ずるい技」とは、相手の意表を突くような巻き込み引き面や崩し技を指します。鍔迫り合いの状態から相手の拳や竹刀を巻き込み、間合いを作って引き面・引き胴を狙うのが代表的な手法です。
4-1. 巻き込み引き面の基本
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- 相手の手首付近を下に巻き込むように左手を動かす。
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- 左足を前に出して間合いを確保し、一動作で面を打つ。
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- 相手が面を守ろうとすれば胴が空くため、逆胴への派生も効果的。
こうした裏技を混ぜることで相手は対応に迷い、守りが乱れやすくなります。試合終盤にここぞというタイミングで使えば、1本を奪う大きなチャンスを生み出せるでしょう。
5. まとめ
金沢龍谷高校が取り組む「負けない剣道」をさらに進化させるためには、気の繋がりを意識し、実践的な稽古を取り入れることが鍵となります。面や小手の打ち方だけでなく、打った後の下がりや鍔迫り合いからの崩し、そして巻き込みやフェイントなど多彩なバリエーションを身につけることで、決定力を格段に高められるはずです。
次のステップ
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- 日々の稽古で「気を切らさない」意識を徹底する
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- 引き技や下がりのスピードを上げるトレーニングを取り入れる
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- 巻き込みなどの応用技を適度に織り交ぜ、試合展開を優位に進める
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- ノートやメモに学んだポイントを記録し、次回稽古で必ず実践
剣道初心者から上級者まで、自分の課題を明確にしながら取り組むと、驚くほど早くレベルアップが期待できます。ぜひ稽古仲間とシェアして、みんなで「勝ち切る剣道」を目指しましょう!
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